【シンポジスト】
　伊佐正先生（自然科学研究機構 生理学研究所）　神経科学からのアプローチ
　坂井克之先生（東京大学 大学院医学系研究科）　認知科学からのアプローチ
　安藤寿康先生（慶応義塾大学 文学部）　　　　　行動遺伝学からのアプローチ
　山岸俊男先生（玉川大学 脳科学研究所）　　　　社会心理学からのアプローチ

　司会：笠井清登（東京大学 大学院医学系研究科：領域代表）

【公開シンポジウム概要】
本シンポジウムでは，関連する学際的な研究分野を代表する4名のシンポジストをお招きして，それぞれの専門領域から見た「精神機能の自己制御」についてディスカッションし，
総合的な人間理解にもとづく自己制御理解を創発する機会に出来ればと考えております．
是非多様な領域の研究者・専門家の方々，そして広く一般市民・学生の方々にも御参加いただければ幸いです．

【新学術領域「精神機能の自己制御理解にもとづく思春期の人間形成支援学」領域概要】
思春期（puberty / adolescent）は，進化の歴史の中で，他の動物と比べ非常に長くなり，
人間に特有のライフステージとなっています．人間はこの「長い思春期」に，社会との交流を通じて，自我機能を育み，自己を制御・発展させ，成長していきます．思春期は，人間にとって極めて重要なライフステージなのです．
　思春期には，人間の大脳皮質の中で，最終段階として前頭前野が成熟してきます．
前頭前野は，人間の進化過程の中で高度に発達した部位であり，自己自身の
精神機能・脳機能を自己制御する機能を司ると想定されています．

　本領域では，以下の3つの軸を中心に，分子から社会までの統合的・学際的アプローチによって，
人間の精神機能の自己制御理解を目指し，多領域の研究者の協力の下，活動を進めています．

　　①思春期における自己制御機能の発達過程を集団レベルで解明する（A01）
　　②人間における自己制御機能の神経基盤を明らかにする（A02）
　　③精神疾患を自己制御機能の不調と捉え，修復・回復支援法を開発する（A03）