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皮質外投射ニューロンは大脳新皮質の第5層に位置し、脊髄などに情報を出力する細胞である。我々は幼弱マウスの大脳新皮質で皮質外投射ニューロンがクラスターを形成し、それらクラスターが脳表に平行な方向に約30ミクロンの間隔で規則的に配置していることを明らかにした(図)。成獣マウスではこのようなクラスターは観察されず、解剖学的所見から規則的な配置は見出せないが、解析を行うと皮質外投射ニューロンが厳密な周期性をもって配置されていることも見出した。さらに成獣マウスに外部刺激を与えたとき、周期的な配置の同一の繰り返し単位に属するニューロンの応答が有意に相関することから、この1繰り返し単位が機能単位として動作している可能性を示唆した。
(左図)出生6日齢マウス脳の冠状断切片に対する核染色。第5層の核の配置に規則性は見出せない。
(右図)左図と同じ冠状断切片において、マーカー遺伝子に対する染色で標識された皮質外投射ニューロン(緑)。クラスターを形成し、それらが脳表に平行な方向に並んでいることがわかる。 |